パワコンが止まる原因は、
大きく分けて4つです。
熱・雷・経年劣化・そして「故障ではない停止」。
同じ「止まった」でも、原因によって取るべき手も費用もまったく違います。
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症状から原因を絞り込む
まず、いま起きている症状に近いものを探してください。
| 症状 | 考えられる原因 | 起きやすい時期 |
|---|---|---|
| 表示が完全に消えている・無反応 | 雷サージによる基板破損、内部電源の故障 | 雷雨・落雷の直後 |
| 昼間の暑い時間帯だけ止まる | 熱による保護停止、冷却ファンの不良、吸排気口の詰まり | 7〜9月の日中 |
| エラーが出ては消えるを繰り返す | 内部部品の劣化、系統側の電圧変動 | 通年(8年目以降に増加) |
| よく晴れた日の昼に発電量が伸びない | 故障ではない可能性/電圧上昇抑制・出力制御 | 春・秋の晴天日に多い |
| うなり音・異音、ファンが回りっぱなし | 冷却ファンの軸受劣化、内部部品の劣化 | 通年(夏に顕在化) |
| 絶縁抵抗低下・地絡のエラー | 湿気・結露・塩害による絶縁低下、ケーブルの損傷 | 梅雨・台風後・降雪後の朝 |
| 複数台のうち1台だけ止まった | その1台の故障。ただし他も同時期に寿命が近い | 通年 |
エラー番号が表示されている場合は、そこから原因をほぼ特定できます。 メーカー別エラーコード早見表 をご覧ください。型番が分からなくても、表示されている記号から引けます。
熱ストレス — 停止が夏に集中する理由
パワコンの停止は、一年の中で7〜9月に最も多くなります。理由はひとつではなく、いくつもの負荷が同じ時期に重なるためです。
内部の電解コンデンサは温度が高いほど早く劣化します。目安として温度が10℃上がると寿命はおよそ半分になるとされ、夏の数か月で一気に消耗が進みます。
たくさん発電している時ほど内部の素子は発熱します。冷却ファンが弱っていたり、吸排気口が埃・虫・落ち葉で塞がっていると、保護機能が働いて停止します。
夏は落雷が多く、台風による瞬時電圧低下や停電・復電も加わります。熱で弱っていた機器が、この衝撃でとどめを刺されるという順序が非常に多いパターンです。
故障が集中する時期は、同時に業者の工事枠が最も埋まる時期です。壊れてから動くと、復旧までの停止期間がそのまま長くなります。
設置場所の影響は、地域差より大きいことがあります。 同じ地域でも、西日の当たる外壁に取り付けられた機器と、風通しのよい日陰にある機器では内部温度が大きく違います。物置や車庫の奥など通気の取れない場所も不利です。
雷サージ — 直撃しなくても壊れる
発電所に雷が落ちなくても、近くへの落雷で発生した過電圧が配線を伝わって侵入し、制御基板を壊すことがあります。これが誘導雷で、雷によるパワコン故障の多くはこちらです。前触れなく、ある日突然表示が消えます。
内陸部・山沿いに多く、栃木・群馬をはじめとする北関東は特に雷日数が多い地域です。夕立とともに発生します。
日本海側特有の現象です。石川・富山・新潟・秋田などでは、冬のほうが雷の被害が出やすくなります。一発あたりのエネルギーが夏の雷より桁違いに大きいのが特徴です。
避雷器(SPD)を付けているから安心、とは限りません。 SPDは侵入した過電圧を逃がす部品で、大きなサージを受けるたびに消耗します。一度仕事をした後は交換が必要ですが、劣化表示を確認していないケースがほとんどです。設置から一度も見ていない場合は、点検時に併せて確認することをおすすめします。
雷による損害は、火災保険や動産総合保険の対象になることがあります。 ただし免責や経年による減額があり、復旧までの停止期間に失った売電収入は補償されません。復旧を急ぐことと、保険を申請することは別々に進めてください。原因が雷かどうかの確認も含めてご相談いただけます。
経年劣化 — 先に寿命が来る部品は決まっている
「パワコン全体が均等に古くなる」のではなく、特定の部品から先にへたります。どの部品かによって、修理で済むか交換になるかが変わります。
| 部位 | 起きること | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 電解コンデンサ | 内部が乾いて容量が落ちる。エラーの頻発、出力低下の原因になる | 10年前後 |
| 冷却ファン | 軸受の摩耗で異音・風量低下。放置すると熱で本体が停止する | 7〜10年 |
| パワー半導体 | 毎日の温度の上下による金属疲労。突然の停止につながる | 10〜15年 |
| リレー・接点 | 毎日の入切による摩耗。系統への接続が不安定になる | 10年前後 |
| 基板・はんだ | 温度変化の繰り返しで微細な割れが入り、接触不良を起こす | 10年以降 |
故障の起き方には傾向があります。設置から1年目くらいまでは施工や初期不良によるもの、その後しばらくは雷や外的要因による突発的なもの、そして8年目あたりから経年による故障が増え始めます。同時期に設置した複数台は、同時期に寿命を迎えます。1台目が壊れたら、残りも近いと考えたほうが計画が立てやすくなります。
設置から何年目で何を判断すべきかは パワコンの寿命・交換時期の目安 にまとめています。
故障ではない停止 — 交換しても直りません
「発電量が落ちた=パワコンの故障」と決めつけて交換したのに改善しなかった、というご相談は少なくありません。次の2つは機器の故障ではないため、切り分けを先に行う必要があります。
止まりやすい時期と地域の傾向
同じ機種でも、置かれている環境で寿命は変わります。
| 時期 | 主な原因 | 特に注意したい地域 |
|---|---|---|
| 7〜9月 | 高温・熱による保護停止、夏季雷、台風の停電と復電 | 内陸の高温地域、北関東など雷の多い地域 |
| 11〜2月 | 冬季雷、結露、積雪と融雪水の侵入 | 北陸・東北の日本海側、積雪地 |
| 梅雨・台風期 | 湿気による絶縁低下、浸水、飛来物 | 全国。低地・海沿いは特に |
| 通年 | 塩害による腐食、虫や小動物の侵入、施工に起因する不具合 | 海岸に近い地域、草地の野立て |
降水量そのものより影響が大きいのは、海からの塩分と、乾きにくい湿気です。海岸に近い設置では基板や端子が腐食し、絶縁抵抗の低下から地絡エラーで停止することがあります。内陸の盆地のように気温が上がりやすい地域も、熱の面で不利です。屋外設置では、防水パッキンの劣化や通気口からの虫の侵入も年数とともに増えていきます。
お問い合わせ前に確認いただけること
- ・本体に表示されているエラー番号や記号
- ・本体の型番(前面または側面のラベル)
- ・売電を開始したおおよその年
- ・止まったのはいつか、雷雨や停電の後だったか
- ・モニターに残っている発電量の推移
- ・吸排気口が落ち葉や埃で塞がっていないか(見るだけ)
- ・カバーを開けて内部を触ること
- ・焦げた匂い・変色がある状態での通電
- ・浸水した機器への通電
- ・分電盤やブレーカーの配線変更
パワコンは日射があるかぎり直流側に電圧がかかっています。ブレーカーを切っても内部は危険です。異常時は無理に復旧させず、ご連絡ください。
止まっている間、売電収入はゼロです
原因の特定が遅れるほど、停止期間はそのまま損失になります。とくに製造が終了している機種は、代替機の選定と手配に時間がかかるため、壊れてから探し始めると復旧まで数か月かかることがあります。
遠隔監視がなければ、止まったことに気づくまでに日数がかかります
製造終了機種は在庫状況しだい。代替機の選定から始まります
故障が集中する時期は着工待ちが発生します
パワコンの故障原因についてよくあるご質問
設置からの年数によって変わります。8年目以降は内部部品の経年劣化が中心で、それより前は雷サージや設置環境に起因する突発的なものが多くなります。時期でみると、熱と雷が重なる夏に停止が集中します。
まず現地で、パワコン本体だけの問題か、周辺機器や配線側にも影響が出ているかを確認します。基板が損傷している場合、保証期間内や部品供給が続いている機種であれば修理、製造終了機種であれば交換のご提案になります。保険が使える可能性もあるため、状況の記録を残しておいてください。
熱による保護停止の可能性が高い症状です。冷却ファンの不良、吸排気口の詰まり、設置場所の通気不足が原因になります。放置すると内部の劣化が進むため、涼しい時期に復帰していても点検をおすすめします。
電圧上昇抑制や出力制御など、故障ではない原因の可能性があります。パネルの汚れや影、ストリングの断線ということもあります。パワコンを交換しても直らないケースがあるため、交換の前に切り分けを行います。
塩分は金属部の腐食を早めるため、内陸の設置に比べて不利になります。端子や基板の腐食が進むと絶縁抵抗が下がり、地絡エラーで停止することがあります。屋外設置であれば、定期点検の間隔を短めにお考えください。
日本海側では冬に発生する雷が原因のことがあります。冬季雷は一発あたりのエネルギーが大きく、被害が出やすいのが特徴です。北陸・東北の日本海側にお住まいで冬に突然停止した場合は、雷を疑う価値があります。
はい。異音がする、エラーが出て消える、発電量が前年より低いといった段階でのご相談を歓迎します。型番と設置年、症状をお聞かせいただければ、その機種として起こりやすいことをお伝えします。無理な売り込みはいたしません。