TECHNOLOGY
なぜ、PDCEは
なぜ、PDCEは
雷を落とさないのか?
魔法ではありません。物理学に基づいた「電荷制御」技術です。
100年以上変わらなかった避雷針の常識を覆す、そのメカニズムを解説します。
落雷のトリガー
「お迎え現象」を制御する
雷雲の接近
マイナス電荷が蓄積
1. 雷雲の発生と電荷の蓄積
夏季の積乱雲や冬季の雷雲が発生すると、雲の底部に大量のマイナス電荷が蓄積されます。これに呼応して、地表面にはプラス電荷が集まります。
従来の避雷針の場合
2. お迎え現象(ストリーマ)の発生
従来の避雷針は、先端を尖らせることで電荷を集中させやすくしています。雷雲が近づくと、避雷針の先端から「お迎え放電(ストリーマ)」が発生し、これが雷雲からの先行放電(リーダー)と結びつくことで、落雷(リターンストローク)が発生します。
つまり、自ら雷を呼び込んでいるのです。
PDCEの場合
3. 電荷の中和と抑制
PDCEは、特殊な形状(半球状など)により、電荷の集中を防ぎます。さらに、内部の絶縁構造により、地表からのプラス電荷の供給を適切に制御・リークさせます。
これにより、「お迎え放電」の発生そのものを抑制し、雷雲との通電路を作らせません。結果として、保護範囲内への直撃雷を防ぎます。
従来型避雷針 vs PDCE
| 比較項目 | 従来の避雷針 | PDCE(落雷抑制型) |
|---|---|---|
| 基本原理 | 雷を誘導して落とす | 雷を落とさない(抑制) |
| 直撃雷の被害 | 発生する(直撃を受ける前提) | 保護範囲内では発生しない |
| 過電流(サージ) | 地面に大電流が流れるため 周辺機器への影響大 |
落雷しないため発生しない |
| 主な用途 | 建築物保護(人命・機器は守れない) | 重要施設、電子機器、人命保護 |